【天気 ことわざ】
天気に関することわざについて
天気のことわざには、原形が3つあるといわれています。つまり、日本に伝わったルートが3通りあるということ。
一つ目は、モンゴルなどの大陸北部方面から東北や北海道に伝わってきたもので、主に狩猟に関係があるというものです。二つ目は、中国大陸の穀創地域から稲作とともに伝わってきた農業に関係するもというもの。三つ目は大陸の沿岸部や東南アジア地域から伝わってきた漁業に関係するものといわれています。これらが長い時間かけて日本流に変化してゆき、「天気ことわざ」として今も残っているようです。
今は、テレビやインターネットで確実な天気予報が見られる時代ですが、確かに昔は情報源もなく、雲を見、風を感じ、天気を読むことしか出来ない時代だったんでしょう。嵐や大雨など、昔は狩りや漁業にでる際は、これらに遭遇することは命失うわけですから、自然の変化から天気を読むということは重要であったと思います。天気ことわざは、本当に様々で、国や地方によっては面白いものがたくさんあるようです。
晴れのことわざ
・「夕焼けは晴れ」
天気は通常西から東へ移り変わります。夕焼けが見えるというのは、日が沈む西の空が晴れているとき。なので、夕焼けの翌日は晴れることが多いようです。但し、この的中率は60%程度。関東地方では、北東気流のパターンだと東から天気が崩れることがしばしあります
・「朝北風、夕南西の風は晴れ」
このことわざは北側に山、南側に海の地方でよくいわれているようです。天気の良い日は、夜間は陸上のほうが気温は下がり、比較的暖かい海に向かって北風が吹きます(陸風です)。一方、日中は日射しにより陸上のほうか気温が上がり、海から南風が吹くようになります(こちらは海風です)。このメカニズムを「海陸風」と呼んでいます。海陸風は天気が良い程発達するといいます。但し、低気圧が南から近づいているときも南風が吹くので、いつもそうとは限らないようです。
・「月の横に星があるときは晴れ」
月明かりによって月の周りでは星が見づらくなったりもします。月の横でも星がよく見えるということは、空中の水蒸気が少なく、とてもよく晴れているということでもあるのです。発達した高気圧に覆われると、月の横でも星がよく見られ、翌日も晴天になるのです。
・「西の虹(夕虹)は晴れ」
西に虹が見えるときは、西の空が晴れているとき。天気は西から東へ移るので、夕焼けの場合と同じように西の空が晴れていれば翌日も晴れることが多くなります。また、夏の夕立のあとにきれいな虹が西の空に見えたりもします。夕立になるのは太平洋高気圧に覆われて非常に日射しが強いときなので、翌日も良い天気が望めます。
・「春の北風は晴れ」
春は移動性高気圧と温帯低気圧が交互にやってくるもの。風の吹き方は、高気圧では中心から時計回りに吹き出し、低気圧では中心に向かって反時計回りに吹き込みます。北風になるのは、低気圧が通り過ぎた後で高気圧の前面に位置する場合。なので、間もなく移動性高気圧に覆われて天気は良くなるというわけです。
・「夏の南風は晴れ」
通常、低気圧が近づいてくるときにはその前面で南風となり、雨が降る場合が多いようです。しかし、夏の天気は太平洋高気圧の盛衰に支配されています。通常太平洋高気圧の勢力が強く、その勢力圏に入るとおだやかで風向があまり変わらない大南風が吹きます。このような場合は、気温が上がり、暑さが厳しい晴天の日が続くことになります。
・「朝富士に夕筑波(夏・冬)」
東京付近で言われることわざでは、朝富士山が見え、夕方筑波山が見えるようなときは翌日も晴れるということ。このようなときは、関東平野の西から東まで広い範囲で空気が乾燥していて天気が良いとき。冬のシベリア高気圧、または夏の太平洋高気圧に覆われている時がこのような状態になり、晴天が長続きするというわけです。
雨のことわざ
・「ツバメが低く飛ぶと雨」
ツバメの餌は小さな昆虫です。低気圧が近づくと空気中の水蒸気量が増え、小さな昆虫たちはその湿気で羽が重くなり低いところを飛ぶようになります。ですから、これらを餌とするツバメの低いところを飛ぶようになるというわけです。
・「早朝暖かい時は雨」
低気圧が近づくと次第に雲が広がってきますよね。通常夜間に雲が広がると、放射冷却によって奪われる熱の量が少なくなり、晴れているときよりも暖かくなります。また、低気圧の前面では南よりの風も吹き込みますので、同様に暖かくなります。
・「遠くの音が聞こえるようになると雨」
空に雲が多くなると、音がよく伝わります。朝起きたとき、普段は聞こえない電車の音や車の音が聞こえるようなときは、雲が広がっているときなので、天気は下り坂なのです。
・「日かさ・月かさは雨」
太陽や月の周りに淡い白色の輪(暈)ができるときがあります。これは巻層雲が広がっているときにできるもの。巻層雲は低気圧が接近するときに、最初に現れる雲のことです。やがて雲はどんどん厚くなり、翌日には雨になるのです。
・「星がチラチラすると雨」
星がちらついて見えるときは、晴れていてもやがて雨になるというもの。ちらついて見えるわけは、大気の中に寒冷な空気と温暖な空気とが上下に接して不連続面ができているから。星の光がこの不連続面で屈折して、チラチラ見えるというわけです。この大気の不連続面は低気圧の前面で起こるといわれています。
・「櫛が通りにくいと雨」
毛髪は湿度に非常に敏感。昔は湿度計に毛髪を使っていたほど。空気が乾燥すると縮み、湿潤になると伸びるという性質を持っているのです。低気圧が近づいてくると、暖かい湿った空気が吹き込んできて、毛髪が伸びて櫛が通りにくくなるといいわけです。
・「子どもが騒ぐと雨」
低気圧が近づいてくると、普通は湿度が高くなります。この変化は人間の生理作用や自律神経に影響を与えるといわれています。湿度が高くなると空気中の陽イオンが増加し、また気圧が低くなると脳の内圧が高くなり、これらが精神をいらいらさせるようです。そこで自制心のない子どもたちは、これらに敏感に反応してむやみに騒いだりすることがあるというわけです。低気圧が近づくときに凶悪犯罪の発生率が高くなる傾向が見られるのも、同じような原因でいわれています。
・「富士山が笠をかぶれば雨」
富士山に限らず、高い山の山頂に笠をかぶったような雲(笠雲)がかかると雨になる傾向が高くなります。笠雲は、低気圧の接近に伴い、湿った強い風が山頂にぶつかり山肌に沿って吹き上がり発生します。笠雲が現れて24時間以内に雨がする確率は約63%です。
・「雷三日」
雷や夕立があるとたいてい三日は続くといいます。雷や夕立の原因は積乱雲ですが、この積乱雲は上空に寒気が入り込み大気の状態が不安定になった時に発生するようです。上空に寒気が日本付近を通過するのはたいてい三日くらいかかるので、このようにいわれているようです。
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